脱炭素社会の実現に向けて、アメリカを中心に海外のクライメートテック（脱炭素）関連のスタートアップを紹介するシリーズ、「クライメートテックトレンド」です。

第8回の今回も、クライメートテック分野でのコンサルティングやリサーチ、イベントなどを手掛けるCleantech groupが毎年発表している注目すべき100社のクライメートテック「Global Cleantech 100」に2024年に選ばれたスタートアップを紹介していきます。

Oxford Photovoltaics

https://www.oxfordpv.com

拠点：イギリス資金調達：未公開

Oxford Photovoltaicsは、ペロブスカイト太陽電池の分野でオックスフォード大学のスピンオフ企業です。同社は、ペロブスカイトをベースとした太陽光発電技術の開発と商品化に専念しています。同社の低コストで高効率な太陽光発電技術は、標準的なシリコン太陽電池に統合され、その性能を劇的に向上させます。ソーラーパネルに組み込まれたタンデム太陽電池は、1平方メートルあたりより多くの電力を供給し、クリーンエネルギーをより手頃な価格で提供することが重要です。同社は、ドイツのブランデンブルク・アン・デア・ハーフェルにある太陽電池工場でペロブスカイトオンシリコンタンデム太陽電池の量産ラインを保有しています。同社は、世界的に有名な機関から革新的な太陽光発電技術に対する認識を得ており、戦略的およびベンチャーキャピタル投資家コミュニティのリーダーと協力しています。

Piclo

https://www.piclo.energy

拠点：イギリス資金調達：シリーズB

Picloは、電力グリッドを効率的、信頼性が高く、持続可能なものにするためのエネルギー管理プラットフォームを開発しています。同社のプラットフォームは、電気自動車やバッテリー貯蔵などの技術からの地元の柔軟なエネルギー市場の価値を活用してグリッドをバランスさせ、クライアントが再生可能エネルギー源の使用を改善するためのデジタルツールを提供しています。Picloは、持続可能なエネルギーの将来を形作るために、エネルギー市場を変革することを目指しています。

Qpinch

https://qpinch.com

拠点：ベルギー資金調達：不明

Qpinchは、特許取得済みのQHT技術を使用して、廃熱を回収し、カーボンニュートラルなプロセス熱に変換します。この技術は、石油化学、食品、紙、パルプ産業など、あらゆる産業で使用されるプロセス熱のエネルギー効率を向上させ、CO2排出量を削減します。Qpinchの技術は、既存の産業資産に実装することができ、即時の節約と利益をもたらします。

Raptor Maps

https://raptormaps.com

拠点：米国資金調達：後期VC（シリーズB）

Raptor Mapsは、ポートフォリオ全体の性能を向上させ、コストを削減し、太陽光発電資産を標準化するために設計されたライフサイクル管理プラットフォームの開発者です。同社のソフトウェアは、太陽光発電業界のスケール拡大を可能にします。同社の製品には、以下が含まれます。

Relectrify

https://www.relectrify.com

拠点：オーストラリア資金調達：シリーズB

Relectrifyは、バッテリーの寿命を延ばし、コストを削減するための先進的なバッテリー制御ソリューションを開発しています。同社の技術は、家庭、産業、電力グリッドなどのバッテリー貯蔵システムの寿命を延ばし、コストを削減することができます。同社は、セルレベル制御アーキテクチャに基づく技術を提供しており、その技術は、商業および産業規模のストレージ製品に使用されています。同社の製品は、IEC規格に準拠しており、セルレベル制御を使用した商業および産業規模のストレージ製品として初めて認定されました。同社は、2015年にメルボルン大学でバッテリーの寿命に焦点を当てた博士課程のプロジェクトから生まれました。同社は、2022年のGlobal Cleantech 100でアジア太平洋地域のクリーンテック企業として認められました。同社の最新の投資ラウンドは、トヨタ・ベンチャーズが主導しました。